また、初学者でもわかりやすくする事に重点を置きすぎて、必要な知識の修得ができなくなっているものも存在します。僕自身、初学者にもわかりやすくする事を心がけていますが、最終的な目標は宅建試験の本試験で問題を解答して合格することです。いくらわかりやすくても、その知識を理解したことによって問題を解答できるようになれなければ意味がないのです
たとえば、僕は図解することを重視していますが、受講生がそのままの形で図解できるように、できるだけ単純な図解にするように心がけています。本試験会場で事例問題をマンガ絵にする受験生はいないはずです。解説は、図解を含めて、問題解法に直結したものでなければ試験対策にはならないのです。また、シリーズ化されていて上位本の追加購入を要するものは、最終的なボリュームが相当なものになりますし、情報が分散しますので、避けた方が無難だと考えています。司法書士などの受験対策の場合は、入門書が別途必要なのかもしれませんが、宅建受験の場合は不要だと考えています。
別のバイブルで、「情報の一元化」が重要と書きましたが、受験生の立場で考えると、後々書き込みなどを行う必要があるテキストよりも、その必要の無いオールインワンのテキストの方が好ましいのは当然です。しかし、一般的なテキストでは「知識の情報量が不足しているもの」も数多く存在するので要注意です。実際には、10年分の過去問で問われている知識ですら記載されていないものが多いです。ひどいものになると、合格するために必要な知識のうち60%程度の知識量しかないものもありますし、良くても80%程度が良いところです。また、必要な改訂を行わないために最近の出題傾向からハズレてしまっているものも多いです。
大手予備校での僕の講義では、過去問知識の追加書き込みを「過去問処理」と呼んで、テキストの補足を行ない「情報の一元化」をおこなっています。法律の初学者が多い宅建試験の受験生が、過去問の演習をしながら、テキストに記載の無い知識を自分でテキストに簡潔に要点をまとめて「追加書き込み」などできるはずがありません。効率よく学習するためにも、試験で問われる知識の中で合格に必要とされる知識がはじめから網羅されているテキストを選択することは大事なのです。




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